健康と美容 Health & Beauty

スぺシャリストは語るクローズアップ・インタビュー

カリフォルニアプルーンを皆様の生活にお役立て頂けるよう、日ごろ気になるカラダのこと、健康や美容のことを、各分野でご活躍中の方々に伺いました。

山名 哲郎 (やまな てつお)先生 社会保険中央総合病院 大腸肛門病センター部長

大腸・肛門病、特に機能疾患(便秘、便失禁)の診断と治療を専門とする。
著書に『読んだらわかる!排便障害患者さんへのアプローチ(メディカ出版)』『スーパー便秘に克つ!(文藝春秋)』がある。

山名先生の便秘スッキリ!ミニ講座(3回シリーズ)

その1 【便秘の種類など】

Q1.まず、便秘の定義について教えてください。

便秘というのは病気ではなく症状の一つです。
便が出にくい、というのが便秘ですが、定義は曖昧です。
一般的に1週間に2回以下、または4日以上便が出ない場合は便秘とされますが、個人差が大きく、1日3回から3日に1回でも正常の範囲とされています。また、毎日便が出ていても非常に出にくい、残便感があるといったことが4回に1回程度ある場合は便秘、としてもいいと思います。その便秘のタイプには大きく分けて3つのタイプがあります。

Q2.では、その便秘のタイプについて教えてください。

最も多いのは弛緩性便秘です。腸全体の蠕動運動が弱まっていて、便が出にくい便秘です。排便の回数が少なく、下剤を飲まないと排便出来ない方はこのタイプです。2つ目はストレス性便秘と呼ばれます。ストレスによってお腹が張ったり痛くなったりしますが、排便するとすっきりするといったもので、腸が敏感な過敏性腸症候群との関連があるとされています。このタイプは、便秘後に下痢になったり、その後また便秘になったりと、排便が不規則になります。
3つ目のタイプは直腸性便秘です。腸の働きは正常なのですが、便が出る最後の部分、直腸に問題があるタイプです。便を押し出す時に、直腸が変形していたり、直腸がうまく動かなかったり、肛門がうまく開かなかったり、ということが原因で便がすっきり出ない、便が残ってしまう、という不快を伴います。

Q3.直腸性の便秘についてもう少し教えてください。ストレス性だと気持ちの持ちよう、弛緩性だと普段の食生活が原因にあると思うのですが。

直腸性便秘で一番多いのは直腸瘤という病気が原因となっているものです。これはほぼ女性のみ起こるもので、便を出そうと息もうとすると、直腸が前方に膨らんで便がうまく出なくなります。女性には直腸の前に膣がありますので、息むと直腸が前に向かって膨らみ、便を肛門から出す力が弱まってしまうのです。出産経験のある中高年に多い症状です。
もう1つ、直腸重積という現象があります。排便時に息みを繰り返すと腸直腸が直腸の中にめり込んで直腸そのものの中心が狭まり、便がうまく出ないという状態です。
また、息むときに肛門がうまく開かないということもあります。普段は息むと肛門が開いて、直腸と肛門が直線となって便が出ていくのですが、肛門の周りの筋肉(括約筋、骨盤底筋)が緩まずに角度が出来て蓋が出来てしまい、便が出にくい、ということがあります。これは中高年男性に多く見られます。普段から息むことが多い人に多く見られます。

Q4.どのタイプの便秘かを診断する方法について教えてください。
 

どの便秘かを見分けるにはまず症状をみます。
回数が少ない、下剤がないと何日も便が出ない方は「弛緩性便秘」、毎日便が出るにもかかわらず出にくい、時間がかかる、残便感がある、という方は「直腸性便秘」、排便回数が不規則な方、便秘をしたり下痢を繰り返したり、お腹が痛くなったり張ったりする方は「ストレス性便秘」が疑われます。
このように、便秘のタイプは症状からある程度見当がつきますが、詳しく調べるには、排便造影検査を行います。直腸にバリウムを注入して、排便する時の直腸の動きや形をレントゲン上に再現して調べる方法です。また、大腸通過時間検査という方法があります。これはレントゲンに映る検査薬を飲んで、日にちをおいて、検査薬が腸の通過にどれくらいかかったかを調べます。