150年以上にわたり伝え続けられる責任ある栽培法
カリフォルニアでプルーンを栽培する農家は600世帯にも上り、その多くがこれまで何世代にもわたって農業技術を受け継いできた多世代農家です。彼らは、自分たちが管理する土地、自分たちが暮らし働く地域と社会、そして自分たちが生み出す健康的プレミアムクオリティな食品を取り扱う世界中の市場と、自らが属するコミュニティに貢献し重要な役割を果たすことに誇りを持っています。
農業において絶対的な正解や万能なアプローチは存在しません。そんな中でも、カリフォルニアのプルーン農家たちはヘルシーでおいしいカリフォルニアプルーンを生産するため、多様性を重んじて、環境に配慮した果樹園経営を実践し、信念を持って農作業に向き合っています。カリフォルニアが誇る世界最高水準の食品衛生管理体制の下、昨今の世界情勢を反映し変化するルールや基準、日毎に表情を変える気候、そして進化を続ける農業技術と世界市場において、カリフォルニアプルーン生産にかかわるすべての人々が継続的な改善と適応を繰り返し、コミットメントを共有しています。何世代にも亘り自然資源を保護しながら業界の未来を維持するため、技術を学び、環境と情勢に適応し、あらゆる面で改善をしていくプルーン農家を支援するために、私たちカリフォルニアプルーン協会はでは学術的な研究活動に惜しみない投資を行い誰もが活用できる情報とツールを提供し続けています。
カリフォルニアが特別な理由
カリフォルニアプルーンは現在、全世界60か国以上で流通しています。私たちのプルーンが世界最高である理由、それは:
- 優れた風味、プレミアムで一貫したクオリティ、一粒の大きなサイズ
- 自然環境と社会的責任に配慮した生産方法
- 世界最高水準の食品衛生基準
- 数十年にわたる安心と信頼へのブランディング、おいしさへのこだわり
カリフォルニアプルーン業界では、より持続可能な環境と社会実現のために資源を集中することにコミットし、生産研究のために数百万ドル単位の惜しみない投資を行ってまいりました。業界全体のサステナビリティ向上を目指して行われてきた取り組みの一例:
- 地球環境にやさしい農業活動の展開
- 業界従事者安全と公正な人件費の確保
- プルーンの実のサイズと品質の向上
- 生産コストの削減
- 乾燥工程及び加工工程の効率向上
- 年間総生産量の安定的な増量
カリフォルニアプルーン業界の持続可能性へのアプローチ
カリフォルニアプルーン農家、取扱業者、そして私たちのコミュニティに属するすべての人々が一致団結して掲げる3つの柱:
この地に生きる人々
コミュニティに利益をもたらし、消費者に健康と幸福を届ける。
私たちの業界内では、従事する人々が正しく公正に働ける環境作りを推進しています。適正な賃金と労働条件、そして魅力的な福利厚生を提供することで、常に安定した雇用を産み出しながら、関係者全員の健康と安全を守る役割を果たしています。さらに、砂糖無添加で、腸、骨、心臓の健康をサポートする重要なビタミン、ミネラル、抗酸化物質、食物繊維を含む栄養価の高いプルーンが、人々の健康な生活を支えています。
地球
全ては果樹園の土地と空気、そして水の環境保全から始まる。
カリフォルニアのプルーン農家たちは、自分たちがとる行動への責任感を持って、世界の環境へ及ぼす影響を深く配慮しています。そんな彼らにとって土地と土壌の管理は最も重要な事、昼夜を問わず心血を注いでいます。なぜならプルーン農場とはすなわち、彼ら自身や家族が毎日暮らし働く場所であり、そしてずっと先の未来でも果樹園が未来の世代に引き継がれていくことが悲願であるからです。それぞれの果樹園に違いはありますが、生産者やハンドラーたちが力を合わせながら、各地で科学的根拠に基づいた配慮の行き届いた取り組みが行われ、健康的でおいしい製品が生産されています。空気中に土埃が舞い上がらない設計のキャンバスを使った機械収穫から、水を汲み上げながら発電しプルーン乾燥用トンネルの空気を循環させるソーラーアレイまで、カリフォルニアプルーン業界では環境に負荷を与えない地球にやさしい革新的な技術を日々取り入れ続けています。
繁栄
経済的な継続性と事業としての強さをもって、カリフォルニアプルーンを後世に残す。
一貫性を持った農業基準が導く安定した生産性とプルーンの美味しさそのものが、世界中からの需要創出に繋がっています。とある経済効果調査によれば、カリフォルニアプルーン農家とその取扱業者が生み出す経済効果は、カリフォルニア州内だけでも7億1,700万ドル以上に上ります。このうち、44.3%が州内の複数の経済部門でさらに二次、三次的な経済効果を生み出しています。
サステナブルな取り組み
カリフォルニアプルーンを栽培するための農法は、農場によって、また年によって異なります。最高品質の作物を生産するために、気象条件、土壌の質、害虫の存在、その他の無数の状況の変化を観察し、必要に応じた農法を適用していきます。
スマートな害虫駆除
カリフォルニアプルーン農家では、生態系を考慮した害虫管理の手法である「Integrated Pest Management」法を採用し、人へのリスクを最小限に抑えながら、植物や動物、環境全体に有益な効果をもたらしています。
カバークロップ
栄養豊富な土壌を維持し灌漑の効率を高めるために、土壌浸食を防ぎながら土壌中に有機物を供給することができる緑肥を栽培しています。
自然環境との共生
カリフォルニアの動植物の生息地と多様性の保全、水辺環境の維持、害虫対策としてのフクロウの巣箱の設置、養蜂場を活用した作物の受粉を行うなど、各地の農場で自然との調和により恵みを受けられる取り組みを行っています。
土壌改善
果樹園の土壌に有益なバクテリアを配合し、さらに窒素を加えた灌漑水システムにより、土壌の健全性を高め、樹木の健康や生産性を維持しています。
再生可能エネルギー
プルーンの生産において、再生可能エネルギーの活用は最重要課題です。カリフォルニアプルーンを扱うすべての農業従事者は、日々の業務で排出されるCO2を削減するため、太陽光発電設備の導入に力を入れています。
水資源の節約
高精度なマイクロ灌漑システムによって、農場での水資源の使用星を30~35%削減することに成功しました。
ライフサイクルアセスメント
プルーンの生産地における投入量と収穫量をコンピューターモデリングで解析し、地球温暖化への影響を定量化、可視化するライフサイクルアセスメント(LCA)をカリフォルニア大学デービス校と共に実施しました。
温室効果ガス排出量削減
カリフォルニアプルーン協会は海外農業サービス及び米国農務省が推し進めるTACSプログラムと提携し、農産物の生産と出荷プロセスで使用される燻蒸材から排出される温室効果ガスの抑制と制限をすることを目的とした2つの取り組みを主導しています。
常温保存可能
果樹園から厳格に温度管理された乾燥トンネルに運ばれたプルーンたちは、加工工程を経て低温保管を必要としない常温保存可能な製品となります。生鮮食品に比べ、輸送、保管、廃棄による環境への負荷が少なくなっています。
公正な賃金体系
業界全体を通して公正な賃金と労働慣行が提供されるよう取り組んでいます。この産業に携わる人々の健康と安全が最も重要であることを念頭に置き、多くの生産者、製造者、加工業者に医療給付金が支給される仕組みを創り出しています。
品種改良研究
カリフォルニアプルーン業界では、収穫、剪定、乾燥時間の効率化を目指した新品種の開発に、長期的な投資を行っています。品種改良により様々な面でのコスト削減とプルーン品種の多様化による将来的な発展が期待さています。
経済効果
カリフォルニアプルーン産業を通じて、従業員の賃金と福利厚生に3億9,150万ドル以上が支払われ、事業に必要な様々な商品とサービスが購入されています。その結果、収益の大部分が州に還元される経済サイクルが形成されています。
継続的な事業改善への取り組み
1952 責任ある安全で環境に優しい栽培方法を確立し、プレミアムプルーンを生産する生産者と取扱者を支援するため、生産研究プログラムを開始。
1985 果樹園経営の効率化と、環境への影響を軽減するために、品種選抜プログラムを実施。
1995 業界内のプルーン栽培を総じて害虫管理を中心に展開、環境への影響が最も少ない害虫駆除の時期や方法についての研究内容とガイダンスが生産者に提供開始。
1997 栄養諮問委員会を設立し、プルーンの栄養と健康効果について、健全な科学的研究に資金提供を開始。カリフォルニアプルーンは栄養素が豊富で、良質な炭水化物を含んでいることから、当協会では、消化と腸の健康、心臓の健康、骨の健康などに関する研究を援助するプログラムを実施しています。この研究は、様々な食品が人体の健康と自然環境の両方に与える影響や、健康的で持続可能な食生活とはどのようなものかを考えることで、社会との相互対話に貢献しています。
2010 カリフォルニアプルーン業界全体に広がる栽培における新技術、そして向流式乾燥機の進歩により、乾燥時間が24時間からわずか18時間へと短縮。これによりガスと電気をより効率的に使用し、時間と費用を節約すると同時に、よりサステナブルなビジネスへと成長を遂げました。
2016 カリフォルニア大学デービス校の研究者が実施したライフサイクルアセスメント(LCA)により、カリフォルニアプルーンの果樹は、再生可能エネルギー発電に利用可能なバイオマス副産物の生産、立木バイオマスへの炭素吸収と一時的な貯蔵、果樹園土壌への長期的な炭素吸収など、多大な環境利益をもたらしていることが明らかになりました。また、プルーン果樹園は生物多様性の高い体系を持ち、1回の収穫あたりのカーボンフットプリントが他の主要な作物よりも低いことが示されました。カリフォルニア大学デービス校の研究者が実施したライフサイクルアセスメント(LCA)により、カリフォルニアプルーンの果樹は、再生可能エネルギー発電に利用可能なバイオマス副産物の生産、現存する樹木量への炭素吸収と一時的な貯蔵、果樹園土壌への長期的な炭素吸収など、多大な環境利益をもたらしていることが明らかになりました。また、プルーン果樹園は生物多様性の高い体系を持ち、1度の収穫あたりのカーボンフットプリントが他の主要な作物よりも低いことが示された。このLCAの結果は、カリフォルニアプルーン生産者と取扱業者が継続的に改善を続け、より良い環境づくりに貢献するための基準となっています。
現在 30年以上にわたる試行錯誤を重ねた栽培法と、改良と交換を続けた灌漑システムにより、カリフォルニアプルーン農園では、水の使用量を従来に比べて30~35%削減することに成功しました。現在、カリフォルニアプルーン農園のほとんどは、高精度のマイクロスプリンクラーを使用しており、水と栄養分を樹木の根元まで効率よく届けることができるようになりました。
サステナブルな取り組みを行う
カリフォルニアプルーン農家の一例
ヴァカヴィルにあるMariani Familyのナタリー・マリアーニは、廃水を再利用する浄水プラントを活用し果樹園の灌漑を行うことで、800万ガロンの水使用量を削減しました。
ユバシティにあるTaylor Brothers Farmsの共同経営者であるジョン・テイラーは、土壌に灌漑システムを通した窒素注入、有益バクテリアを自社農園内の殆ど全てのプルーン樹木栽培と土壌改良にも試し、良い効果を上げている。
ユバシティでMitchell Ranchのオーナーを務めるサンドラ・ミッチェルは、農場で使用する全ての電力を太陽光発電を用いて賄っている。
メアリスビルにあるFeatherRiverFarmsのラヴニール・シンは、二酸化炭素の吸収と空気の浄化に役立つ牧草を果樹園で栽培し、エネルギーと燃料の節約に努めている。
ジョー・ターコビッチは、自身がウィンターズに所有する果樹園内にフクロウの巣箱を設置することで、殺虫剤を使わず作物を害虫からサステナブルに守っている。
(英語ページ)
進行中および計画中のプロジェクト
カリフォルニアプルーン業界の継続的な改善を目的としたプロジェクトの一例をご紹介いたします。
プルーンの乾燥技術革新
カリフォルニアプルーン業界では最近、カリフォルニア大学デービス校のNitin Nitin博士とFidele Abedi氏と協力し、プルーンの革新的な乾燥方法についての研究を行いました。トンネル乾燥技術は、カリフォルニアプルーン業界にとって最大の資産であり、経費を必要とする要因のひとつです。私たちにとっての乾燥工程とは、カリフォルニアプルーンを競合製品から一線を画すクオリティに仕上げる、極めて重要な部分です。エネルギー規制がますます厳格になるにつれ、天然ガスに代わる技術革新と代替燃料の準備が急務となっている昨今、Nitin博士とAbedi氏は脱水技術と再加水技術に関する専門知識を駆使して、業界の進歩に寄与しています。
品種改良研究
カリフォルニアプルーン業界では、収穫、剪定、乾燥時間の効率化を目指した新品種の開発に、長期的視点から多額の投資を行っています。改良された品種はコストを削減し、また品種の多様化を通じて今後にあらゆる変化に備えることができます。また、新世代の生産者のために、業界全体の近代化を推し進める要因にもなります。
ライフサイクルアセスメント(LCA)調査
カリフォルニアプルーン業界では、2016年にプルーン生産のライフサイクルアセスメント(LCA)を開始しました。また、多年生農業生態系の環境への影響と今後もたらされるであろうメリットを予見するべく今後も研究と調査を継続してまいります。
MRL(残留農薬基準値)カンファレンスへの参加
カリフォルニアプルーン協会は、残留農薬基準(MRL)会議に立ち上げから携わり、現在も同会議のプログラム委員を務めています。また、当協会は毎年この協議会を主催しているカリフォルニア特産作物協会(CSCC)の理事も務めています。また、当協会は毎年この協議会を主催しているカリフォルニア特産作物協会(CSCC)の理事も務めています。MRL会議は、残留基準値に関する情報を提供し、世界各国の残留基準値の調和に貢献しています。
MBAO Conference(臭化メチル代替支援)会議への参加
カリフォルニアプルーン協会は、1994年に臭化メチル代替品支援(MBAO)会議の発足を支援し、現在も引き続き会議コーディネートのサポートを行っています。
CSCC(カリフォルニア特産作物協会)監査視察への参加
過去20年間、カリフォルニアプルーン協会は、生産者が作物を生産する上で直面する問題を直接視察するCSCC規制視察ツアーに参加し、農業に関する規制を策定している連邦政府や州政府を現場に招致しています。毎年開催されるこのツアーでは、参加を希望する農業関係者にキャンセル待ちが出るほどの需要を持つことで知られています。この会議は、世界中の農業界と規制側の双方にとって貴重な人脈を提供するものです。